乳液と保湿クリームの違い
乳液と保湿クリームの違い
皆さんは乳液とクリームの違いをご存知でしょうか?
今回は、今さら聞けない乳液と保湿クリームの役割とその違い、さらにはスキンケアの順番なども併せてご紹介します。
乳液と保湿クリームの使用目的
乳液や保湿クリームは、化粧水などで与えた潤いを閉じ込めて肌を整えるためのものです。
どちらも、水分が蒸発しないように肌に膜を張る(蓋をする)役割をします。
水分だけだとすぐに蒸発してしまいますが、乳液や保湿クリームには水分以外に、保湿成分と油分(エモリエント成分)が入っていて、せっかく与えた水分が蒸発しないように油分で膜を張る大事な役割をします。
そう、お気づきと思いますが、乳液と保湿クリームは肌の機能と同じような役割をしてくれる重要なスキンケアアイテムなのです。
私たちの肌の機能として、皮脂には肌の保護、抗菌、保湿作用があります。皮脂は外的ダメージから皮膚を守ってくれ、外界から異物が侵入するのを防ぎ、さらには肌から水分が蒸発するのを抑える役割があります。
毎日のスキンケアでは、肌本来の機能を助けるため、皮脂や肌バリア機能と同じような役割をするアイテムを取り入れましょう。
乳液と保湿クリームの基本的な違いについて
乳液は肌の保湿成分と油分(エモリエント成分)をバランスよく補うことができ、保湿クリームは油分をメインとしてお肌に膜を張って水分の蒸発を防ぎ、配合される美容成分によってプラスアルファの役割をします。
例えば保湿成分以外では美白成分やエイジングケア成分など、ご自身の肌悩みやお肌の状態に合わせて選ぶこともできます。
一般的に、保湿成分は乳液のほうが保湿クリームより多く、油分(エモリエント成分)は保湿クリームのほうが乳液より多く配合されております。
乳液と保湿クリームの違いは・・・“成分の配合量”なのです。
ただし、保湿成分と油分(エモリエント成分)の配合量の違いによって乳液と保湿クリーム、それぞれの肌に蓋をする役割に優劣があるわけではありません。
ではなぜ乳液と保湿クリームが同じような役割なのにそれぞれ必要なのか?
私たちの肌は人それぞれで油分量が違います。なのでひとりひとりに適したスキンケア方法、またスキンケアアイテムの選択ができるように乳液と保湿クリームが存在しています。
先ほど申し上げた成分の配合量の違いという特性を考慮し、今現在のお肌が必要とするケアをしてあげることでお肌をベストな状態に保つことができます。例えばお肌がオイリーな時は、油分(エモリエント成分)が多い保湿クリームよりも、乳液を使用してお肌の油分をコントロールすることができます。
製品の選び方のポイント
乳液や保湿クリームを選ぶ際には、どのように選んだらいいの?という場合に目安となるのは、ご自身のお肌がどの肌タイプなのかで選びましょう。
普通肌
肌の水分量、皮脂量ともにバランスが取れた状態の肌ですが、環境の変化(季節の変わり目)などで変化してしまいます。そのままの状態を維持することや、さらに美肌になるように色々なアイテムを試してみましょう。
脂性肌(オイリー肌)
皮脂が過剰に分泌され、不要な皮脂や毛穴の汚れによってニキビなどのトラルが起こりやすい状態の肌です。
ベタつくので洗浄力の強いアイテムを選んでしまいがちですが、必要な油分まで落として乾燥しすぎたり、保湿が不十分だと潤いが不足して余計に皮脂を分泌してしまっている可能性もあるので注意が必要です。
適度な保湿と適度な油分のバランスをとるスキンケア方法を見つけましょう。
混合肌(インナードライ)
混合肌は皮脂が多い部分と乾燥した部分が混在する肌の状態です。
いわゆるTゾーン部分がテカリが気になる一方でUゾーン(頬やフェイスライン)は乾燥していたり・・と、気になるポイントごとに適宜ケアが必要な肌タイプです。混合肌の人も肌の水分と油分のバランスをとることが大事なのですが、テカリや乾燥ポイントごとにケアをする方法を見つけましょう。
また、肌の表面は皮脂によってベタつきを感じるので脂性肌と思っている方でも、実は肌の角質層が水分不足で乾燥しているという方もいらっしゃいます。
油分は多いのにゴワつきを感じる方はインナードライかもしれません。
乾燥肌
肌の水分量も皮脂量も少ないため、カサカサとしてしまう状態の肌です。
紫外線や、空気の乾燥などによってダメージを受け、バリア機能が低下してしまい、肌の内部の水分が蒸発してしまっている状態です。まずは皮脂を過剰に落とさないように気をつけながら、保湿による水分補給と油分補給を積極的に行いましょう。
普通肌、脂性肌、混合肌、乾燥肌の4つのタイプのうち、ご自身がどれに当てはまるのかによって、製品の選び方やスキンケアの方法がそれぞれ違ってきます。まずはご自身の肌タイプを知り、そのうえで適切なスキンケア方法を見つけていきましょう。
肌タイプ別おすすめスキンケア方法
ご自身の肌タイプが分かったら、肌タイプ別のスキンケア方法をご紹介します。
普通肌の場合
通常この普通肌が理想的なお肌の状態となりますので、普通肌以外の状態の方は日々のスキンケアを丁寧に行って普通肌を目指しましょう。
普通肌の方は、今の状態をできるだけキープするようにこれまで通りのスキンケアを継続してください。より美肌を求められる際は、現在のスキンケアにプラスアルファでいろいろな美容成分を試してみましょう。
脂性肌のスキンケア方法
まず洗顔では十分に泡立たせてお肌の表面の皮脂をしっかり取り除きましょう。
毛穴に皮脂がたまりやすいので泡で優しく落とすイメージで洗い流します。
化粧水はご使用する商品の基本的な量でOKです。
次に潤いに蓋をするため乳液もしくは保湿クリームのどちらかを使用しますが、テクスチャーの違いやお肌の状態に合わせて量を調整してください。
「脂性肌には油分の多い乳液や保湿クリームはつけないほうがいいのでは?」と思われがちですが、どちらかでもつけないと、乾燥肌になってしまったり、余計に悪化してしまう可能性もあります。お肌には水分と油分のバランスが大切です。
混合肌のスキンケア方法
まずはしっかりと洗顔で余計な皮脂を取り除きます。
つぎに、化粧水でたっぷりと水分を補います。
そのあとは乳液で油分と水分をバランスよく取り入れつつ、膜を張ります。
最後に保湿クリームでしっかりと水分と油分を肌に閉じ込めるために蓋をします。
お肌の場所によって乾燥していたり、油分でテカっていたりするので、気になるポイントにはそれぞれしっかりと対策しましょう。
インナードライであれば肌の水分不足によって、肌本来の保護機能が過剰に働き、皮脂を多く分泌してしまっている可能性があります。与えた水分が蒸発しないように注意しましょう。
乾燥肌のスキンケア方法
洗顔ではしっかりと泡立たせた泡を使いましょう。
泡をのせてゆっくりと優しく洗い、ぬるま湯を使って優しく洗い流しましょう。
化粧水は適量で水分を補給します。
保湿が足りないと感じる場合はここで美容液を使ってさらにうるおいを与えます。
最後に乳液で水分と油分をバランスよく補い、保湿クリームを優しく全体になじませて蓋をします。
乾燥肌の方は洗顔時に洗浄力の強い洗顔料を控え、汚れと一緒に必要な皮脂まで洗い流さないように注意しましょう。
また、タオルドライもゴシゴシしないように注意!!刺激を与えすぎると肌はバリア機能が低下してしまいます。
今さら聞けないスキンケアルーティン(スキンケアの順番)
大切な毎日のスキンケア。今さら聞けないことや、消費者の皆様から多くお寄せ頂く疑問を併せて紹介します。
Q.乳液と保湿クリームの使う順番ってどうなの?
A.洗顔した後、化粧水→乳液→保湿クリームの順番でお使いください。
化粧水で水分を補給し、乳液で油分の膜を張り、クリームで水分が蒸発しないように蓋をするイメージです。
このコラムの「1.乳液と保湿クリームの使用目的」で触れたように、乳液と保湿クリームは同じような役割を持ちますが、使用感や目的によって二つを使い分けると良いでしょう。
例えば冬の乾燥した時期には化粧水→乳液→保湿クリームでしっかりと潤いを与えるスキンケアが望ましいですが、夏場はクリームのベタつきが気になる方は化粧水→乳液で終了しても良いですし、季節やお肌の状態に合わせて最適なスキンケアを取り入れましょう。
上記のように、朝は洗顔後→化粧水→乳液→保湿クリームでスキンケアそのあとメイクアップは日焼け止め→化粧下地→ファンデーションという順番が基本となります。
導入乳液(ブースター)をご使用される場合は、化粧水の前に入ります。
夜のスキンケアは入浴後化粧水→乳液→保湿クリームの順番が基本となり、美容液やシートマスクをプラスする場合は、化粧水→美容液orシートマスク→乳液→保湿クリームという順番となります。
Q.朝と夜でスキンケア方法は違うの?
A.スキンケアは朝と夜では目的が違います。
朝のスキンケアは、就寝中に汗をかいたり皮脂が分泌しますので、それらを落とす目的があります。
スキンケアの順番は基本的に変わりません。洗顔をして化粧水→乳液→保湿クリームです。
夜のスキンケアはメイクや皮脂の分泌などの汚れを落とし、日中に受けた肌への刺激をケアする目的があります。順番はクレンジング→洗顔→化粧水→乳液→保湿クリームとなります。
スキンケアの順番には、それぞれの化粧品の効果を発揮させるため、正しい順番で使うことが重要です。
仮に化粧水だけしか使わなかったら、肌に与えた水分がすぐに乾燥してしまいます。
逆に化粧水を使わずに保湿クリームを使用したら、水分を与えていないため、保湿クリーム本来の効果が発揮できません。
それぞれの役割にあった順番でスキンケアをルーティン化しておくことが大切です。